- 宝石名
- ペリドット
(PERIDOT) - 和名
- 橄欖石
- 鉱物名
- オリビン
- 誕生石
- 8月
- モース硬度
- 6.5~7
- 宝石ことば
- 幸福、なぐさめ
【解説】
この宝石はラテン語でいうオリーブが由来になっており、その名前の通りオリーブの実にとてもよく似た色で産出されます。鉱物としてのオリビンには黄色や褐色なども含まれますが、その中でもそれらの色を程よく含んだグリーンの石がペリドットと呼ばれています。ルビーやサファイア、エメラルド等の宝石は主成分に不純物が混ざってその色を形成する「他色」とされていますが、それに対しこの石は主成分の一つである鉄分に起因して発色する「自色」の宝石なのです。色についてもう少し詳しく説明すると、オリビンは地殻深部やマントル上部をつくる主要な鉱物、フォルステライトとファイヤライトが混ざり合ってできています。前者の割合が多いほど黄緑から黄色になり、後者が多いほど褐色が強く黒っぽくなります。
ペリドットの最大の特徴は屈折率が際立って高いということ。透明度の高い石をテーブル面から眺めると、反対側のファセットの稜線が二重に見え美しいシンチレーション(煌き効果)が確認できるのです。この効果は宝石に厚みがあればあるほど、より顕著に感じて頂けます。
【エピソード】
今からおよそ3500年ほど前、エジプト・アスワン沖300kmの紅海に浮かぶ不毛の火山島セントジョン島(かつてはザバルガッド)で発見されて以来、かなりの量のペリドットが採掘されてきました。場所柄エジプトのプトレマイオス王朝の王様たちに愛されたため、現在に至るまでエジプトの国石とされています。この宝石の歴史はとても古く、旧約聖書のヨブ記に「エチオピアトパーズ」として出てきます。当時同じくエジプトの沖に浮かぶトパーズの産地として知られるトパゾス島から産出したペリドットが混ざったためトパーズの一種と考えられていたようです。