職人の道具図鑑 NO.9
ルーペ
宝石の特徴を見る時や製作中の指輪の細部を確認する時等、肉眼では難しい小ささのジュエリーにはそれを拡大して見る道具が必要不可欠。職人をはじめ素材の仕入れや商品の検品まで、この仕事に携わる人の傍らには常にこのルーペが置いてあります。ルーペとは物体を拡大して観察するレンズの総称で、用途により様々な形があります。
私達が普段手元に置き、一番馴染みが深いのが看板の写真にも写っているコンパクトなポケットルーペ。
同じ形をしていても10倍や20倍など、拡大倍率に種類があり適した倍率のルーペを選んで使用しています。
一般的にはダイヤモンドには10倍、色石や原石の観察には6倍程度、特に拡大が必要な場合は20倍のルーペが適しているとされています。
この道具を使えば、誰でも小さなものを大きく見ることができるのですが、ジュエリーを見る上で大切なポイントも幾つかあります。
まずは、拡大して見るポイントを見つけること。ジュエリーであればしっかり磨きこむことで美しく見える箇所や、強度を見るために接合部分を観察します。
また拡大して見た時、見えたものを解釈する知識も必要となってきます。
これは繰り返しジュエリーを見て、経験を積むことで身についてくるのです。
ルーペは他にも、眼鏡に取り付けたり目のくぼみにはめ込んで使う「アイルーペ」、頭にベルト状の帯で巻いて両手で作業ができる「ヘッドルーペ」、机に固定したりスタンド台で立てて用いる「スタンドルーペ」等があります。
一言でルーペと言っても、その用途や種類は奥が深いのです。
(用途によって形が異るルーペ)